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原発事故から廃炉期へ…茨城の未来。

放射能測定に関する要望書を石岡市に提出しました

石岡市長 久保田健一郎殿

 

放射能測定に関する要望書

 

 

1)食品、飲料水の測定時間の延長の要請

 

  現在、規制基準値が下がったことにより、食品に含まれる放射性セシウムの”低線量”汚染値への感心が高まっています。

石岡市が実施している日立アロカメディカル社CAN-OSP-NAIによる測定は検出限界値が30分で9Bq/kgとありますが、子どもや幼児への普段の食品のセシウム含有量のより低い数値を知ることが求められているようです。

 

「個人向け生産農作物や飲料水(井戸水)の安全性チェックも行えます」(石岡市における放射能放射線に関する各種ガイドラインより)ということを実施するのであれば、国の基準値10Bq/kg以下はもちろんのこと、より低線量の測定値を知ることが必要です。検出限界値以下 NDでは基準値ぎりぎりの9Bq/kgかもしれず、0Bq/kgであることの証明にはなりません。

日立アロカメディカル社CAN-OSP-NAIでは、お米では60分測定で5Bq/kg程度の検出限界になります。

 

現在の「実質30分ほどの測定時間(準備などに30分?)」という測定の手順やシステムの改良を図り、待っている時間に準備をするなど、測定時間をより多く取れるよう希望します。

八郷地区にも測定器が導入されたのですから、今までの時間を単純に2倍にすることなどが可能であると思われます。

 

特に井戸水は、災害時などに水道給水が停止した場合、有用な水源になること、山間部では井戸水を飲用している家庭が多い事などの理由から、井戸水が 9Bq/kg(=Bq/l)より低い数値が測定出来るような体制を整える必要があります。ご検討ください。

 

*日立アロカメディカル社CAN-OSP-NAIの測定時間と検出限界についての資料を別途添付。典拠:農民連食品分析センター

 

 

2)土壌・肥料・灰などの測定の要請

 

  土壌・落葉・灰や肥料なども、国で測定した地域の汚染マップがあることが理由なのでしょうか、特定の公共施設対象の測定はしているという理由からでしょうか、石岡市では個人の資材の測定を拒否しています。

汚染肥料のせいで250Bq/kg出た栃木のみょうがの例にあるように、マイクロホットスポットや汚染灰・汚染肥料をこれから与えることで、この先新しく食品が汚染される可能性があるのです。

日本の有機農業のパイオニアでもある八郷地区で、自分の土壌の汚染を知りたがっている人は多いのですが、せっかく高価な日立アロカメディカル社CAN-OSP-NAIを購入して、有効に使用していないのは遺憾です。

 

農民連食品分析センターの八田所長の同要請に関する見解:

 

汚染の拡散が、原発から放出されていた放射性物質そのものから、それらが1度沈着や別の形で加工され、拡散されていく次のステップに進んでいるといえます。早い時期でこの点に網を張っておかなければ、群馬大学の早川先生が作られた汚染マップは使い物にならない時期が来る可能性があると思います。これまではマップを見れば、どこが高汚染地域か判断できましたが、これからは畑地に入れる資材によって、ひょっとしたら予測できない場所に高汚染地ができる可能性もあるわけです。

 

また肥料や落葉に関する農林水産省の規制値は、食品として移行するという観点で作られたものではありません。あくまでこのレベルでの汚染を受けた資材を畑地に入れたとき、作業する人間の被曝量が年間許容量におさまる、ことを目指したものです。もちろん、作物の移行係数から考えれば、このレベルで完全に資材が管理されていれば、極度な汚染を起こす作物を作り出すとは考えにくいですが、この点についてはもう少し整理と周知をしておく必要があると思います。

 

また資材として山里のものや栽培残渣などを使いたいと考える方も多いと思います。

自分たちが自信を持って自分の農業を進めていくうえで、風評を恐れず、必要な情報として、しっかりと栽培地の調査を行政サービスとして作り出させることが大事と考えます。

 

 

3)「安全性」という言葉

 

  健康被害へのしきい値が無い放射能汚染ですが、予防原則(危険や被害を予想・予測し科学的に因果関係が十分証明されていなくても可能な限り規制処置を行うこと)に則り、被曝しない被曝させないことに努める必要があります。

茨城県は第二の汚染県です。石岡市はちょうど全体が10K~60KBq/m2(セシウム134,137  2011/11/5)の汚染量でマイクロホットスポットも存在します。にもかかわらず「茨城県内における土壌の放射性ストロンチウムプルトニウムの各種分析」は県生活環境部原子力安全対策課の調査対象外で測定をしていません。

 

今、何が危険で何が安全なのかを証明できる医師や有識者がいない中、石岡の発信する情報は「食品等は安全であり」「水は安全です」「安全性が確認された」と安全キャンペーンをしています。これは県や国の指針に追随した”予防原則を全く無視した非放射能対策”であり、石岡市民の放射能に対する「不安」「恐怖」へ答えるものではありません。

 

きのこ、たけのこ、魚など規制超えの食品も未だ存在するように、茨城産の農産物や食品がむしろ敬遠され、将来への展望も持てず離農する者もいる、という事実認識が欠如していると思われます。安全性は洗脳や隠蔽では保たれず、対策解決することで得られ、それが安全な農産物・食品の提供へ、安心へ繋がることを理解すること。今以上にきちんと測定することからはじめることを希望します。

原子力の安全神話が幻想で虚偽であったことを深く反省し、「安全」という言葉を「危険」「汚染」と置き換えることでしか安全対策は見えてきません。放射能測定は「安全性のチェック」をしているのではなく「汚染の線量、危険性」を測っているという認識を持ち、各種対策を行うよう要望します。

 

以上

 

却下または要望内容の実行が不可能の場合は、その理由をご回答ください。