NO NUKE Ibaraki

原発事故から廃炉期へ…茨城の未来。

IAEAとICRP 仕組まれたダイアログによる福島でのエートス計画

2012年12月15~17日、IAEAと日本政府が福島で原子力の安全に関する閣僚会議を行います。

福島では、ICRP(国際放射線防護委員会)が発起人のダイアログセミナーが第4回を迎え、周辺県にもやってくる日は近いと思われます。
これらは2011年福島原発後に日本財団(笹川財団)が主催し IAEA, WHO, UNSCEAR, ICRP という国際原子力ロビーと結託した国連の諸機関が総動員された「国際専門会議」の流れに沿うものです。

これら原子力ロビーが過去に行って来た住民のためのチェルノブイリ後放射線防護計画には、国立農業研究所や技術センター、仏全国牛乳生産者連盟、仏食品衛生安全庁、全国農業経営者組合連合、仏農業生産者協会、仏食品振興会、仏農産物輸出専門組織などが深くかかわっています。
そして今、伊達市で行われているICRPのダイアログセミナーには、コープ福島、JA伊達みらい、JA新ふくしま、酪農家、米農家、イオン、サントリー、消団蓮、福島民放、福島民友、朝日新聞、PTA、教育長などがパネル参加しています。

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〈仕組まれたダイアログによる福島でのエートスという放射線防護に関する新しい文化〉

エートス・プロジェクトはCEPN(原子力防護評価研究所)という民間団体の計画です。CEPNは原子力ロビー:EDF (仏電力公社)、CEA(仏原子力庁=核兵器の製造と原子力の管理・研究)、アレヴァ(原子力産業複合企業 旧コジェマ)グループとIRSN(国立放射能防護と原子力安全研究所)が共同で創設したNGOで、民間に対するロビー活動の窓口になっています。ICRPのジャック・ロシャールが1990年よりCEPNの所長を努めます。

エートス・プロジェクトは4つの学術組織による研究チームで活動がはじまりました。(フランス原子力防護評価研究所、パリ‐グリニョン国立農業研究所、コンピエーニュ工科大学、原子力産業の計画のコーディネートや事務局を請け負うムタディスコンサルタント)
チェルノブイリ後のベラルーシなどの汚染地帯に多数の研究者と大学人を細部に配置し、ヒューマニストな支援と、”(原子力産業の)事業を正当化しながらそれに伴うリスクを正当化すること”を目指して、原発事故後の健康障害を、健康問題を中心課題からずらしながら、ストレスなどの”精神的、社会的、経済的、政治的、倫理的”な心因性の問題が疾病に起因していると主張します。

「住民参加型で復興・帰郷・再開」という福島にとっては最も欲されているデリケートな問題を、専門のコンサルタントの洗練されたノウハウ(”デモの起こる危険や、「危険に対処する」活動計画への住民の拒否反応を鎮める戦略を進展させる”)を学際的に使い、時に時間稼ぎ(=金)をし、権威的押しつけが難しい場合は対話的協議で徐々に放射能と原子力事業と共存するように仕向ける新コミュニケーション戦術で進めていきます。

低線量被曝を納得し受け入れることで、形骸的な権利や自由を住民は手に入れます。
フェルネックス博士は『訪日後フクシマを語る』で「エートスプロジェクトが来てから、改善されるどころか病人はどんどん増え続けている」と言います。それはエートスプロジェクトが住民に放射能を受け入れさせたという証拠です。
http://www.youtube.com/watch?v=6cYIIhvJ6S8

「真実はどこに?」WHOとIAEA 放射能汚染を巡って— の中で、反対意見の研究者や医者らに対し、原子力擁護派の女性委員が、そんなにムキに回答しなくてもいい、彼らがどんなに主張しても無駄だから、と放射線安全派の発言者をなだめます。
http://www.youtube.com/watch?v=oryOrsOy6LI

原子力ロビーや原発推進派の目的とは:
— 原子力とそのリスクを受け入れさせること(リスクを正当化すること)
— 反対派を分断させること
— 危険に晒された住民の用心や怒りを骨抜きにすること
— 仕組まれたダイアログで市民団体に協力すること

私たちが覚えておかなければいけないことは:
― セミナーや講演や支援は主催者が誰か、どの団体に絡んでいるのか調べること
― 原子力ムラのロビーが、住民の健康・命など気にもかけていないということを深く心に刻むこと
― 予防原則で健康問題を扱わない医者や研究者を疑い拒否すること
― 対話的な協議の最終決定は市民が行うこと(専門的なことでも、可能な限り)
― 百歩譲って福島のエートスの目的が住民の生活改善であるとしても、チェルノブイリ事故においては、病気が増加し続けているという現象を正しく分析すること
― 福島に起きている問題はじきに近県に広がり、エートスは茨城や栃木や群馬…にやってくる、ということ
― エートスプロジェクト、ICRPの全ての計画に参加してはいけないのだ、ということ
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多くの文章を引用、コピーしました(” ”で囲む)。参考サイト:
http://echoechanges-echoechanges.blogspot.fr/

ダイアログセミナーの結論と勧告
http://icrp-tsushin.jp/files/Dialogue-3_Conclusions.pdf
http://icrp-tsushin.jp/files/dialogue-3.pdf(第4回は3を4に)
(協力と援助:市、県、放射線安全フォーラム、FSAC、福島ステークホルダー調整協議会、福島のエートス、福島県立医科大学ベラルーシ緊急事態省チェルノブィル部、経済協力開発機構・放射線防護公衆衛生委員会、仏放射線防護・核安全研究所、ノルウェー放射線防護局、仏原子力安全局)

Le Centre d’étude sur l’Evaluation de la Protection dans le domaine Nucléaire
Projet ETHOS (原子力防護評価研究所)
http://www.cepn.asso.fr/spip.php?rubrique5&lang=fr

福島エートス(この個人的に設立したグループは現在はICRP(=cepn)と同調し活動しています。象徴的であり検証が必要です)
http://ethos-fukushima.blogspot.jp

フクシマ・アクション・プロジェクト
Nuclear Free Now
http://npfree.jp/index.html

「避難の権利」ブログ
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/

最後に、2006年当時、フランスの知り合いの女性が5人、甲状腺異常の治療を受けていたことを再度申し上げます。吉川真実